コーンスネークの卵塞
2019.08.06.19:06

こんばんは。獣医師の長尾です。
爬虫類の記事が続きますが、今回はコーンスネーク(ブリザード)さんのノンナちゃんです。
初めての産卵ですが、卵をいくつか産んだあとから残りの卵が出なくなったとのことで来院されました。
初めての来院の日、待合室で何やらゴソゴソしているとのことで、飼い主様がのぞいてみたところ待合室で産卵!

おそらく移動の刺激で産んだのでしょう。残りの卵も排泄孔近くまで降りてきたため、そのまま残りを産むかもということでその日はお家に帰りました。
しかし、その後、残りの卵を産まず、産卵の兆しがないため再来院されました。
総排泄孔から器具を入れて覗いてみると卵のはじっこが見えます。ただ、卵の表面に石灰沈着もありそうで、このままでは放置すると卵管との癒着を起こすなどの可能性も考えられたため、潤滑剤を卵管内にいれて圧迫をして産ませることになりました。
最初はいきむ感じも全くなかったですが優しく力を入れていくと、途中から・・・

お腹に力を入れてくれて、

無事産まれました!
さらに残りの卵もすべて出てくれました!

頑張ってくれました!!
ヘビさんの難産・卵塞にはさまざまな原因があり、因果関係を証明することは難しいことが多いです。
卵塞を起こしてしまった場合、
注射にて様子をみる。
今回のように圧迫で出す。
経皮的に針を刺し中身を吸引する。
外科的に開腹する。
などいろいろ方法があります。
圧迫は簡単な方法ですが、卵管と卵が癒着していて卵管破裂を起こすなど致命的になることもあるため安易に自宅ですることはお勧め致しません。
産卵に関して異常があった場合は爬虫類を診察している病院にまずはかかられることをお勧めいたします。