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フェレットの全身性コロナウイルス感染症

2019/07/03
こんばんは。獣医師の長尾です。
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少し前のことになりますが、エキゾチックペットを専門に診療している獣医師の学会である「日本獣医エキゾチック動物学会」の年1回の症例検討会に今年も参加してきました。
今年の私の発表テーマは、フェレットにおける全身性コロナウイルスにおいてシクロスポリンを用いた治療について発表させていただきました。
フェレット全身性コロナウイルス感染症とは近年報告された比較的新しい感染症ですが、感染・発症すると生存期間が約60日ほどといわれている大変怖い感染症になります。現在、ワクチンや完治する治療法がないのが現状です。似た感染症としては猫のコロナウイルス感染症である猫伝染性腹膜炎という病気があります。猫伝染性腹膜炎も予後が非常に悪い疾患となりますが、近年、猫伝染性腹膜炎にたいしてシクロスポリンを用いて良好な予後を得ているという報告があり、フェレットでも使えるのでは?ということで使用した内容で発表してきました。
会場では多数の先生に声をかけていただき皆様興味に興味を持っていただきました。
このフェレット全身性コロナウイルス感染症は感染しても発症しないこともありますが、発症すると全身性に肉芽腫を形成し、様々な症状を引き起こします。とくに若いフェレットさんで発生が多いです。
(※コロナウイルスには緑色の下痢便をしてしまうなどの軽度の症状を引き起こす弱毒のフェレット腸コロナウイルス感染症といわれるものもありますが、こちらとは別のものになります。)

うちの子は大丈夫!と思っていても、少し前の報告で、日本国内のフェレットにおいても思っていても、すでに蔓延している可能性が指摘されています。

当院でも診察・診断の機会が増えていると感じております。

確定診断はなかなか難しいのですが、おなかをあけて腫れた臓器を摘出・生検して、遺伝子検査や免疫染色をおこなうなどの検査が必要となりますが、早めの診断・治療が重要となってきます。
若くて痩せていてなんだかお腹が張っている、下痢がおさまらないなどの症状がありましたら要注意です。今年から糞便のなかのウイルスを検出する検査が国内でもできるようになりましたが、①ウイルスを持っていても発症していない、②ウイルスは糞便には出ていないけど体の中にはいる。といったことも想定されますのでやはり確定診断は組織を生検することになると思われます。

全身性コロナウイルスについて相談したい、知りたい、検査してみたいなどといったことがあれば、ご予約を取って来院していただければと思います。(お電話でのご相談は行っておりません)

※診療は予約制となっております。ご迷惑をおかけ致しますが、土日祝日は約1週間前にはいっぱいになっておりますのでお早めのご予約をお勧めいたします。

comment (2) @ フェレット